鹿児島県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は29日、中学生A部門の初日の審査があった。谷山、桜丘、和田が、九州吹奏楽コンクールに出場する県代表の推薦候補に選ばれた。そのほかには、川内北と川内南が金賞に輝いた。
同部門は3日間続く。それぞれの日に選ばれる県代表の推薦候補計9団体のなかから31日、県代表3団体が決まる。
全国大会まで道が続き、大編成の学校が集まる鹿児島の中学生A部門。そこに、離島の小さな吹奏楽部が3校合同で出場しました。メンバー全員で合奏する機会も限られ、慣れない大人数での練習を部員たちはどう乗り切ったのでしょうか。
合わないピッチに「頭を抱えた」
汽笛のようなテューバの重低音が鳴り、サックス、クラリネット、ホルンの旋律がゆっくりと滑り出す――。
自由曲「マードックからの最後の手紙」の冒頭。鹿児島県の沖永良部島にある知名町立知名中のアルト・サックス、原口つばささん(3年)は「互いの楽器の音が溶け合うように」と集中し、曲の主題となるメロディーを奏でた。
原口さんらは今回、島内にある知名、和泊、城ケ丘の三つの中学校による合同バンドで出場した。3校の共演で3月に開いたコンサートが好評で、顧問の間で「コンクールも一緒に出ますか」との話があがり、初めての試みとなった。
平日は3校それぞれ、個人で練習。週1回ほど和泊に集まり、合奏に取り組んだ。
3校とも部員はそれぞれ10人程度で、ほとんど1人1パートの編成だった。それが3校合わせて総勢34人となり、大人数の学校にも見劣りしない充実した楽器編成ができる規模に膨らんだ。
原口さんは合同バンドのサッ…